街をしばらく歩いていると、大きな商店街についた。
「ここにママたちいるの?」
「さぁ。」
「なぁにそれ。」
「だってうんって言って見つからなかったら俺は嘘つきになるだろ?」
「うん、うそつき。」
「いやいや、まだついてないだろ。」
苦笑しながら“おにいさん”は言う。
「レイちゃんは5歳だっけ。しっかりしてるね。」
「おにいちゃんがたよりないから。」
「アナチェルは長男いるって言ってたな。お兄ちゃん頼りないのか?」
「うん。パパのお仕事が好きなんだけどね、それのお話するとき夢中でね、すぐコケるの。」
「お兄ちゃんは考古学に興味があるのか」
「うん、そうだよ。でもわたしはね、嫌い。お兄ちゃんもパパもそればっかりなんだもん。」
少し拗ねたようにいうレイに“おにいさん”は微笑んだ。


