「ねぇねぇおにいさんは何さい?」


手を繋いでテクテク歩きながら、レイは背の高い“おにいさん”を見上げて質問した。




「俺?俺は29歳だよ。」

「29?そうなの?パパは30さいだよ、一個違うだけだからおにいさんじゃおかしいね。」

「そうだな。」


笑いながら、“おにいさん”は言う。


「でもオジサンって感じじゃないね。やっぱりおにいさんがいい!」

「そうか?若く見える?」

「うん!」

「へぇ、俺は若いのか。何か変な感じだな。」

「そぉ?」


いつのまにか笑顔になったレイは“おにいさん”と一緒に街の中へ入っていく。