「じゃあまず、自己紹介だ。」

「レイ。5さい。」

“おにいさん”はう~んと考える仕草をした。


「レイ…か。聞いたことあったっけなぁ。ママとパパの名前は?」

「えっとね、セレナとローゼ。」

「ん?ローゼ?アナチェルか?」

「パパのこと知ってるの?」

「知ってるもなにも…会ったことだってある。そうか、アナチェルの娘か。」

「うん。レイ=アナチェル。」

「お~偉いな、ちゃんと言えるんだな。」


またよしよしされて、レイは嬉しくなった。



「アナチェルとは夕方に会う予定だったんだ。家族を連れてるとは聞いてなかったけどなぁ。」

「おにいさん考古学者さん?」

「いや、違うよ。」

「そうなの?パパは考古学者さんだよ?」

「考古学者さんじゃないけどパパの仕事に関係してるんだよ。」


“おにいさん”の言葉にレイはふぅんと不思議そうな顔をする。