「…ふぃ~、やっと嵐が去ったぜ」


ギルクははぁ、と溜め息をつくとイルの頭を撫でた。



「ありがとな、俺の為に怒ってくれてよぉ。」


「…ふぇ、ギルク~」



イルはさっきまでの威勢はどこへやら、情けない声を出すとどさくさ紛れにギルクに抱きついた。

ギルクはよしよしと頭を撫で続ける。



「…ギルク、ナイスバディだったのにい~の?」

顔を上げたイルは不安そうに訊ねた。


「ん?あぁ~、いいの。俺は中身重視だから!ナイスバディだと嬉しいけどさぁ~、さっきのはナルシだしなぁ。」


冗談まじりに言うギルクを見上げたイルは、プレゼントのことを思い出した。



「はっ、そうだギルク!これ!」


嬉しそうにゴソゴソとポケットを漁るイルに「ん?」と返事を返してギルクは顔を覗き込んだ。


イルは一度ギルクから離れ、正面に立つ。




「はい、これぇ。誕生日プレゼント!」

そして、必死になって探したあの小さな袋を差し出した。