イルは何だか居心地が悪くなってそわそわする。
こんなとこ見てるのがバレたら、怒られそう。
後で、渡そうかな…。
こっそり戻ろうとした。
「…?!アンタ!何見てんのよ?!」
バレた…。
しかも女の子に。
女の子はつかつかとイルに寄ってきた。
そして、目と鼻の先で腰に手をあてイルを睨む。
こいつはやばい。
イルははじめて、女の勘でそう察知した。
「ちょっと、聞いてるの?!アンタ、ちびのくせに人の色恋に水差して!それにアタシがフラれてるとこなんて…」
女の子はあぁ、と嘆いた。
「とにかく、誰にも言わないで!じゃないとアタシの面子ってもんが…」
延々と話を繰り返す女の子に、イルはうんざりしてきた。
偉そうに威張るしナルシストだし、なにより全く悪くもないギルクを平手打ちした。
イルは頑張って反発してみることにした。


