「ご、ごめん一流、私……」


その気は無かったとしても、一流を傷つけてしまった。


申し訳なくてすぐに謝罪すると、一流は分かりやすく慌て始めた。


「いや蕾が気にする事ないよ。勉強出来なくっても、オレは―――…」


……えっ?


目の前の光景に、一流も私も目を見開いた。


慌てた一流が何気なく机の上の私のシャーペンに手を伸ばしたら、カタッと音をたててシャーペンが揺れたのだ。


口を半開きにした一流が恐る恐るシャーペンを握りしめると、今度はしっかりと手中に収まり、机から離れる。


「ちょっと…一流っ!?」