そう言って空を見上げる幽霊の横顔は、本当に今にもスーーッと消えてしまいそうな程儚げだった。


昔から梓灯に『もう少し力抜いて生きたら?』と言われる位マジメらしい私の中に、幽霊をほっとけない気持ちが生まれる。


「あの、話聞いてくれてありがとうございました。オレ「思い出作ろう!!」」


気がついたら…立ち上がってどこかに行きそうだった幽霊を、またひき止めていた。


「私と一緒に、思い出作ろう!」


「えっ!?」


「だったら……さみしくなんか、ないでしょう!?」


これが、私と幽霊の摩訶不思議な日常の始まりでした。