あの時みたいな嘆きの涙でもなく、絶望の涙でもない、幸福で溢れた涙を流して、一流に抱きついた。


ギュウッと力を込めるとそれ以上に強く抱きしめ返してくれる一流が、やっぱり好きで好きで堪らない。


「蕾、あんまりカワイイ事ばっかり言うとオレ大変だからやめて。幽霊時代何度蕾の寝顔見て、理性と戦ったか……」


「えっ!?そうだったの!?」


最初は怖くて仕方がなかった幽霊男子は、今や私の大切な存在。


お互いの存在の有り難みをとことん分かり合っている、私と一流なら………


何だか本当に、いつまでも笑い合える気がした。









――――END――――