「なんかさぁ、最近寒くなって来たよねーーー」


「もうすぐ10月だし、当たり前だろう梓灯」


「家に帰ればぁ~~、おいしいモンブランが待っているぅ~~~」


「蕾って本当甘いもの好きだよねーー」


テクテクと歩く私達の真上には、赤や黄色等色とりどりの葉っぱがまるで傘の様に広がっている。


その葉っぱは時たまヒラヒラと舞い落ちて、地味な灰色のアスファルトをキレイに演出していた。


「まぁね。そういう秋も、甘いもの好きじゃない」


クルッと右横を見ると、我孫子…じゃなかった、秋が「蕾程ではないよ」と苦笑していた。