「アラ蕾、カワイイじゃない。もしかしてデート?」


「デート!?」


私が階段から降りて来てリビングの前を通ると、お母さんが褒めてくれる。


しかし自分の妻のセリフに、ソファーで新聞を読んでいたお父さんが新聞をビリリ!と縦に引き裂いた。


「つ、蕾、本当にデートなのか!?」


「え?えっと……」


物凄い勢いで私に詰め寄るお父さんに戸惑っていると、お母さんがお父さんの耳を引っ張る。


「アナタ、蕾ももう年頃の女の子なんだから、デートの1度や2度普通にやりますよ。蕾、楽しんでらっしゃいね」


「うん。行ってきます」