主役の姫がこんなに暇を持て余しているのに、来客はみんな長々しい話に聞き入っています。 「━━…今のうちに、抜け出しちゃえ」 姫はそっと席を立つと、誰も気づいていないのを確認して、上の階へと続く階段を、ゆっくりと上がって行きました。 勿論、上に潜んでいる人の存在など知らずに…