或るところに、とても豊かな、愉快で楽しい国がありました。 そこにはとても国民想いの頼れる王様と、心優しい(悪くいえば貧弱な)王子様が暮らしていました。 或る日、王様は言いました。 「息子よ、お前もそろそろ結婚して国を継ぐ修行をしても可笑しくない年だ。 しかし、お前は気が弱い。そんな様子ではやっていけない。 だから、わしが頼りがいの有る嫁を見つけてやろうと思うのだが…よいか?」