「はああああ!!!やーっとおわった!!」
「緋音ー、ありがとな」
最近遅くまで働いてくれている緋音に辻は缶ジュースを手渡した。
緋音は学校を休んでいるため、遅く起きても全然平気なのだ。
だから、BARの手伝いを、片付けまで最近はしてくれている。
「それにしても、凛子さん、すーぐいっちゃったねー!!」
「刑事は刑事で話してるんだよ」
相変わらずの無表情で緋音に言った。
カウンターの奥の方から大門もやってきた。
「刑事って大変っすね」
大門も、やや無表情でいった。
大門の場合、多分疲れているのだろう、目の下にクマができている。
「大門、それあたししとくから、寝ていいよ!!」
「え?」
大門が緋音がしてくれることに対して相当驚いたから、緋音も少し頬をふくらませながら、
「なーによ!!あたしがしてあげるっていってんの!!驚いてないで、ほら、行った行った!!」
やや、というよりかなり強制的に二階へと行かせた。
「あ、あざした!!」
頭を軽く下げ、大門が逃げるように上がって行った。