「感激するわ。あら?明水さんどうした
の?」
 「もう少し挨拶の声を大きくしてほしいと頼んでたんです」
 「そう。明水さん、駄目よもっと彼らを見習わなくちゃ」
 「はあ…」
 「それじゃあ頑張って。鈴木さん、井上さん、森下さん、金宮さん、坂本さん。」
 「「「「「はい!」」」」」
 とまあこんな風に写るわけだ。被害者である私は悪い子扱い。不憫だ~~~~~
 それにしても、何より賞賛を贈りたいのは私をいじくりまわすためだけに全員揃って生活委員に入ったこと。
 制服姿でハチマキつけて.......
 鈴木(男):赤 井上(男):黄 
 森下(男):青 金宮(女):水色 
 坂本(女):桃
 5人揃ってイジメ戦隊カネモチジャー!
 
 チュドーン!チュドーン!

 平成のニューヒーロー誕生に大きく関わってしまった......
 そんなこんなで3ヶ月、推定99回目の挨拶指導を受けている私こと明水紡恵なのである。
 「大抵の人は3回ぐらいあやせば登校拒否になるのに、雑草魂って本当にあるのね」
 「そりゃどうも.......っと」
 「なんで取っちゃうのよ!」
 会話の途中で黒板消しがピンクの手によって放物線状に飛ぶ。どっから出したんだか、ポッケが粉まみれになってなければいいが。
 「何度も言ってるだろ、キャッチボール歴10年をなめるなって」
 ちなみに昨日は卵だった。どこから出してるんだ!差し詰め坂本はピンクの猫型ロボットと言ったところかな。