「貴様、新選組を愚弄するか.............」
 背後霊の如く怒りオーラが鬼を形成していく様が窺える。コロサレル
 「すみませんって!でもやっぱり皆さん方の先入観で酷い目にあった私の心情も汲み取って下さいよ。三番隊隊長、斎藤一さん」
「!?」
 「端から八番隊隊長藤堂平助、二番隊隊長永倉新八、十番隊隊長原田左之助、一番隊隊長沖田総司。そして副局長土方歳三、局長近藤勇。副局長に山南敬助さんという人もいますよね、今この場には居ないみたいですが」
 「お前、山南さんのことまで.............」
 15年間見聞きしてきた新選組知識をこれでもかと披露する。
 原田さんは槍使いで監察方の島田魁と同じ道場とか、土方さんの実家は石田散薬という薬の作っているとか、天然理心流とか。
 そうすると周りの反応は最初は驚くことすれ、後になってだんだん薄れていった。気にくわないな。よ~し
 「..........................土方さんは沖田さんにいいように遊ばれてま~す.............」
 「ああ.............っておい!」
 からからと笑い声がおこる。お気に召して良かった。
 「もう十分だろう。名前ならともかく、個人の情報までいくら間者でも知る由がないからね。」
 喉が疲労で叫び声を上げかけたときに近藤さんがピリオドを打ってくれた。