平誠組 

 「梅のは「分かった!信じる!」
 「「「「えーーーーーーーっ!?」」」」
 鬼の副長があっさりと折れた驚愕と疑問の叫びが私の最高音量記録を塗り替える頃、思わずガッツポーズをとった。腕が捕まれたままだったため手首を曲げる程度にしかできなかったけど。
 「何でだ土方さん!?さっきまでこいつの言うことなんか知らぬの一方だったじゃねえか」
 「なんか理由があんのか?」
 「もしや、先ほどの句には新選組に関する機密事項が隠されている暗号か何かなのですか?」
 「てめぇら一回黙ってろ!おいっ総司。忍び笑いしてるのが丸分かりなんだよ!」
 あるところでは疑問符を撒き散らし、またあるところではあらゆる仮説を話し合い、またまたあるところでは笑いを隠すのを止めた子供と、鬼の貫禄丸潰れの副長の一方的な戦いを繰り広げている。
 いつの間にか敵対心剥き出しだった組長格らは、土方援護から明水援護に結果的になっていった。
 「そこまで笑うほどですかね。私は好きですよ、その俳句」
 土方歳三は鬼の副長というあだ名を持つ身でありながらも、風流な俳句を嗜むという意外性の持ち主だった。だがその腕前は他者どころか本人でさえほとほと呆れるほどのものだった...........らしい。
 「.............ほんとに.............そう思うか?」
 私の台詞にフリーズする中、土方さんはおどおどと聞く。