平誠組 

 「それで、お前は一体何者何だ?」
 いきなり難しい核心を突く質問だな。
 どうしたらいいんだろう。
 着替えたとはいえ、長い間ずぶ濡れ状態でいた事により回転率がスローダウンした頭でとっさに浮かんだ選択肢は2つ。
 1:この人達に付き合い演じる。
 この場合、2つの役のどちらかを選ぶことになる。
 1つは長州の間者。だけどこれは考える間もなく却下。いくら演技だからってこの人達は見るからにプロだ。拷問シーン、殺戮シーン共に手を抜くとは思えない。たとえ私が素人だろうと。
 只でさえさっき酷い目に遭ったっていうのにさらに恐ろしい目に遭わなきゃいけないなんてゴメンだ。
 となると2つ目。私は実は未来人なんです。


 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


 イヤ~~~~~それはないっしょ。
 そりゃあ”私は未来から来ました。”なんて、歴史やファンタジーの話の途中に組み込まれたりと、クオリティの差はあるにせよかなりベターな事情だ。目新しさは特にない。
 けどそんな事を口にすれば一斉に”バカじゃないの~”的な思いを込めた目線で串刺しにされ、これまた”バカじゃないの~”的な思いを込めた笑いという名の炎で焼き鳥ならぬ焼き人間にされてしまう。
 まあ、1つ目よりはマシかもしれないけど。
 そうなると2つ目の選択肢。