「じゃあ自己紹介して」
「はい、関西から転校してきた榎本愁(えのもとしゅう)です。みんな仲良くしてくださーい」
関西弁のイントネーションで自己紹介をした彼。
榎本、愁くんっていうんだ……。
クラスのみんなは「関西弁のイントネーションだ!」とか喜んでいるけど、私にはそんなのどうでもいい。
はぁ……どうしよう。
彼に今見つかったら怒鳴られたりするかも……。
「あっ!!!」
すると、榎本くんが大きな声を出した。
「どうした?榎本」
担任が問いかけると、誰かの足音が私に近づいてくる。
そしてその足音はピタリと私の前で止まった。
ま、まさか……っ!
「今朝はようやってくれたな?あれから俺、ここに来るまで大変やったんやでな?」
彼は私の手首を掴んで言った。
私はおそるおそる、顔を上げた。



