《愁サイド》




『……もう、私に構わないでください』



『え?』



『からかわれるのは……散々なんです』



目に涙を浮かべながらそう言って去っていった愛空が頭から離れへん。
急に……どうしたんや。
もしかして……他の誰かやなくて、俺が愛空のこと傷つけた……?



「俺……なんかからかったっけ……」



俺は自分の行動を思い出してみるけど、愛空を傷つけるようなからかいをした覚えはない。
……俺、無意識に愛空のこと傷つけとったんやな……。
もう完全に愛空に嫌われたわ。



日曜日……楽しみにしとったんやけどな。
愛空、絶対行かへんって言うとったけど、なんやかんや来るやろって思っとったけど……。
あの感じじゃ絶対こーへんな……。



「………はぁ」



日曜日、なにしよっかなぁ……。
家でゴロゴロしようかな……。



俺は自分のベッドの上でゆっくり目を閉じた。