今日は……榎本くんと一緒に帰りたくない。
榎本くんの笑顔を見るだけでなんでこんなに胸が締め付けられるように苦しいんだろう。



私は榎本くんのことなんとも思ってないはずなのに……。



「愛空どうしたん?」



カバンを持った榎本くんが俯く私の目の前にやってきて、顔を覗き込んだ。



どうしよう……もう泣きそう。



「ごめんなさいっ……今日は1人で帰ります」



「おい、愛空!?」



榎本くんの呼ぶ声を無視して、教室を飛び出した。



「はぁ……っはぁ……っ」



学校を出て少し経って、私は疲れて立ち止まった。
目から流れた涙を拭う。



運動不足のせいかな……少ししか走ってないのにもう疲れちゃった。
明日、足が筋肉痛になっちゃうかもなぁ。



「愛空っ!」



すると、背後から榎本くんの声が聞こえた。