「私、教室に帰ります」



「えぇ!じゃあ俺も!」



「真似しないでください」



「えーっ!ええやん!」



頬っぺたを膨らませて文句を言う榎本くんを無視して、体育館裏を早歩きで立ち去る。



「はぁ………」



榎本くんと話してたらなんだかすごく疲れた。
榎本くん、私のこと好きって言ったり、アホ呼ばわりしたり、勝手に出かける予定決めたり……ほんと意味わかんない!



「もう知らない……」



榎本くんなんか知らない!
たまにはちゃんとこうやって突き放すのも大切だよね。
じゃないとまた、からかってきたりするだろうし。



教室に帰り、私は1人で黙々とお弁当を食べる。



「あれ、愛空まだお弁当食べてなかったの?」



先輩とのランチタイムが終わったのか、アカリは教室に帰ってきていた。



「……ちょっと、榎本くんのせいでね」



「また榎本くん~?ほんと仲良いね」



……仲良い?
私と榎本くんが!?