「そ、そっちちゃうねん!いや、ちゃうちゃう!そっちちゃうって言うとるやんけ!」



「おぉ、完璧やん!」



俺は愛空の頭を撫でた。
すると愛空は嬉しそうに笑う。



もう、コイツほんまこの笑顔せこいわ……。
理性飛ばす気なんか?



「えへへ、これで私も関西に行けますかね?」



「おう!余裕やろ!」



愛空って俺のこと嫌っとるんか、嫌ってないんか全然わからんわ……。
でも、そんなに嫌われてないんちゃうかな?って勝手に思っとこ。



キーンコーン―――



「あ、もうチャイム鳴りましたね」



「そやな。そろそろ戻らなな」



俺と愛空は体育館裏を後にした。



ほんまはもう少し話しときたかったけど……さすがに、な。
今日の放課後とか話せばええ話やし?



愛空が少しでも……1日の終わりに、俺と過ごした時間を思い出してくれたらええなぁ。