「無理に送ってくれなくても大丈夫ですよ。1人でも帰れるので」



いや、そんなワケにはいかん。
愛空はいつ襲われてもおかしくないほど、可愛いんやもん。
はいはい、そうですかって帰れるはずがない。
俺が家まで送ったらなアカンやろ。



「いや、大丈夫や!なんとかなる!」



「で、でも………」



「俺よりも愛空の方が大事やし。そんな遠慮すんなって」



ケータイのマップ機能使えばなんとか帰れるやろ。
それに、ここで愛空を1人で帰らせるとかカッコ悪いやん。



「じゃあ……お願いします」



愛空はペコッと頭を下げた。
その行動に思わずドキッとする。



「……っお、おう!俺がちゃんと家まで送り届けたるからなっ」



「は、はい」



アカンわ俺……。
自分で思っとるよりも愛空のこと好きになってもたかもしれん。
まだ今日出会ったばっかやのに。



こんなに女にドキドキしたん、初めてや。