【完】純情レンアイ






《愁サイド》



今まで俺が見てきた女はみんな、甘い言葉をかければ簡単にオトせた。
だからコイツも……って思ったんやけど。



キスしよう、って言ったらアイツは怒った。
今まで俺にキスしようと言われて怒った女はおらんかったのに。



俺は絶対にコイツをオトしてみせる。
絶対俺に夢中にさせたるからな。



抱きしめた愛空から優しくていい匂いがする。
やっぱり……他の言い寄ってくる女とは違うんや。



「ほな、帰るで!」



「あ、え、榎本くん……っ」



俺は愛空を腕から解放して、愛空の手を引いて歩き出す。



「愛空の家こっち?」



「は、はい……」



愛空は俺の言葉で混乱しているように見える。
まだ頭の整理できてないんやろうな。




「て、てか、榎本くん……私の家まで送って、自分の家にちゃんと帰れますか?」



「………あ」




たしかに、言われてみればそうや。
俺、今朝学校に行くのも迷ったんやんな……。
このへんに引っ越してきたばっかやから全然地形とかわからん。