「こんなぐらいで顔真っ赤にするとか異常やなほんま」



「い、異常じゃないですっ!」



みんなが男の子に慣れ過ぎなんだって!
私は普通……って思いたい。



「ふぅん。ま、愛空って純粋そうやしな」



「ど、どうでしょう……」



「どうせ、男と付き合ったこともハグもキスもしたことないんやろ?」



う……っ。
どうせ私なんて恋愛経験0ですよーだっ!
周りのカップルとか見てるとうらやましいとか思うけど、やっぱり男の子に拒否反応でちゃうし無理だ。



私は一生、1人で生きていくしか……。



「図星か」



「わ、私だって恋愛ぐらいしたいって思ってますよっ!で、でも……」



現実は厳しい。
男の子を目の前にすると、異常に緊張しちゃうんだ。



「……とりあえず、どっか移動しよか」



「え、あ、あのっ」



榎本くんは私にカバンを持たせて、私の腕を引いて歩き出した。