そんなコイツにドキッとしてしもた俺はアホなんかもしれん。
可愛いとかそんな風に思ってしまう。
俺、コイツのこと……。
「俺、お前のこと気に入ったわ」
「えっ!?」
男ギライのコイツをオトしてみたくなった。
どうせ、コイツも甘い言葉をかければ簡単に……。
「逢坂……いや、愛空」
「え、っと……」
突然下の名前で呼ばれて、愛空は恥ずかしさで下を向く。
「愛空、今日の放課後なんか用事あるんか?」
「と、特には……」
「ほな放課後残ってな。絶対やで?」
「え?」
「残らんかったら……俺、なにするかわからんで?」
俺が不敵な笑みでそう言うと愛空はゆっくりコクンと頷いた。