《愁サイド》
目の前で黙々と弁当を食う女・逢坂愛空は男が大のニガテらしい。
ニガテとはいえ、ちょっと話したり、触れただけで赤くなるとか異常やろ。
授業中、からかって遊んどったら相手にされんくなってもたし。
だってコイツ、めっちゃいじり甲斐あるんやもん。
「なぁ、なんでなんも喋らんの?」
「……わ、私、話すのとか得意じゃないので」
「てか、なんで敬語なん?同い年やのに」
「と、特に意味はないですけど……」
ずっと思っとったけど、コイツ全く目合わせへん。
恥ずかしがっとるんか?
「じゃあ敬語もう使わんでいいから。あとさ、なんで目合わしてくれんの?」
「……わ、わかりません」
そう言った逢坂は少し頬を赤く染めていた。
ふぅん……恥ずかしいんやな。
俺は食べ終えた弁当箱を片付けて、逢坂のすぐ前に移動した。



