「……ちの?……ちーの!」 わたしの名前を呼びながら目の前に手を大きく上下に振っている女の子が見えた。 「えっ、あっ……ごめん」 「莉乃、大丈夫?」 心配そうな困ったような顔をしていた。 その理由なんて自分が1番わかっている。 もう2年も経つのに忘れられないわたしを心配している。 「うん……大丈夫だよ」 わたしの名前は莉乃(ちの)。 この春から高校生になる。 あと数日もすれば入学式を迎える。 気持ちを入れ替えなきゃ。 新しい生活になるんだから。