マルメロ


「まぁ、互いに言葉遊びも済んだところで、本題に移りましょうか――お友達になるつもりは、私もあなたも、ないのだから――」


ルナを「見透かし」、女はベンチへと歩み寄る――。


女と少女――天使と悪魔が共存する躰――。


憂い、蔑み、異次元の領域から真理を見透す瞳――。



「隣、座っていい――」


黒い、ゴスロリファッションの女が聞くが、ルナは無言を貫く――。




「よいしょっと――」


らしからぬ口調で、女は承諾を待たなかった――。




敵対する「間隔」でしばらく二人は月を見る――。





「テルくんは、どうなるかしら――」


「えっ――」


女が口火を切り、不意を突かれたルナは、少し動揺した声を上げた――。


「あら、テルくんという呼び方は、何もあなたの専売特許じゃない筈よねぇ――」


わざとらしく女が確認する――。




「あなた、学院の生徒なの――」


「この可愛い格好がいけなかったかしら――同じ1年生よ――何組かは教えてあげない――」


「別にどうでもいいわ――あなたの言う通り、お友達になるつもりは、私もないから――」