卒業生が親となり、娘を「差し出す」――衰退していても、華麗な制服に袖を通す事は、名誉であり、誇りである――などと、栄華を享受した者達は考え、縋っているのだろう――。
現実には、その「効果」は先細りし始め、姉妹校へと委譲されている――。
学院側の「思惑」は外れ、当て込んでいた「男子枠」を急遽、ふるいにかけた女子受験生達に開放――追加合格という都合のいい言葉を用い、現生徒数をやっと確保した――。
それが、学院を取り巻く現実――。
「独りぼっちだし――不安で寂しいかなぁって――」
茜が静かに呟く――。
「私、委員長だし――」
不安を抱いているのは彼だけではない――彼女達も同様に彼との距離を、掴みかねていた――。
ある程度の人数の男子が入学していたなら、ある種の緊張感を強いられる事もなかった筈――。
問題は、男子がまさかの彼独りで、しかも同じクラスになり、ばつが悪そうに「ぽつん」と座る唯一の男をどう扱って良いものかと、彼女達なりに思い巡らせてはいた――。
結論を導くのは簡単ではない――。
現に2日が経過した――。



