「うふっ、冗談です――」
ちょっとした「変化」で、女は妖精にも魔女にもなりうる――。
女の怖さを、姉で多少は心得ている彼も、何気ない彼女達の些細な変化や仕掛けに心が囚われ、動揺する――。
想定の枠外にいる人物が誘い、惑わすと、効力は自乗化するが、何も「色仕掛け」だけが怖さを構成している訳ではない――。
最後に生徒会室に入室した二人は、言い知れぬ雰囲気と、黒い思念の漂いを感じた――。
構えた彼と茜をよそに、坦々と、静か過ぎる程に行事は進む――。
「さて、何か緊急の動議がある様ですね――3年秋桜組、生徒会副会長の琴音さん――」
いつもなら解散、という頃合いに、更にお団子頭を進化させ、夏服と相まって低年齢化したミレイ会長が、含みのある口調で言い、足止めする――。
彼も茜も、他の学級委員、そしてルナも、会長の容姿の裏に潜む黒い暗部を声色から解析し、浮かせた腰を沈めた――。
「では琴音さん、動議案を――」
全員の「従順」さに満足し、笑みを浮かべたミレイが、琴音(ことね)を誘導する――。
「ありがとうございます――」



