彼が彼女達に、「敵意」で実際に対抗している訳ではないが、ルナに比べて精神的消耗が少ない事は明らか――。
「はぁぁ――――」
ルナが、複雑に絡み合った感情を解き放つ――。
「自由になりたい――」
ぽつりと呟いた言葉を聞き、「鳥籠の中の鳥」と評したサユリの表情が、彼の脳裏に浮かぶ――。
鳥籠から逃れても、外の過酷な環境に耐えられず、その鳥はすぐに死んでまう――。
ルナが逃れたいのは、学院の鳥籠か、家柄の鳥籠か――また、その両方からなのか――。
ルナとの、この出逢いの意味を彼は考える――。
針葉樹の枝から二人の様子を伺っていた小鳥達が警戒心を解き、地表に降下して、ピョンと跳ねながら草花をついばむ――。
「それにしても、ここは和むなぁ――今まで散々周回路を歩いたけど、森の奥に入る道があったなんて、わからなかったな――」
「私も最近ここを偶然、見つけたの――テルくんの言う通り、和み、落ち着く――」
「ここは、私の心を清らかにしてくれる聖域なの――」
「なぁルナ――」
「うん、いいよ――ここは二人の秘密の場所――」



