マルメロ


スイスの名家、ノアーク家――。


金融、資産運用、銀行――「お国柄」ともいえる企業体を抱える家柄の直系親族の次女――。


継承権の順位は、当然、姉が優先されるが、「不測」の事態が起こった時は、ルナに「全て」が重くのしかかる――。


発展が見込まれるアジア市場開拓の為、家族と奉仕する者達を従えて、ルナが小学校に上がる時を見計らい、日本へ移り住んだ――。




髪の色が違う、大人びた雰囲気、蔑んでいるかの様な眼差し――「異物」扱いされたルナを救ったのは、マリネだった――。


以来、妙に気が合い、現在に至るまでの信頼と友情が構築された――そうマリネが彼に話した――。




男子が産まれなかった故に、姉妹校に通う姉の背後には、「婿養子」という婚約者候補が列をなし、「決められた」未来のレールの上を走る事を、姉は受け入れ、覚悟を決め始めているのだとも――。



姉という「防波堤」に護られ続ける――「苦手」ではなく、言い知れぬ「引け目」をルナは姉に対して感じているのかもしれない――。





「何か、優柔不断だね――私――」



ルナは、自戒を追加する――。