「それと、伝説の生徒会長の弟ですもの――」
「サユリ、その事は黙っていてくれないか――」
「ミレイ会長も知っていた様だけど、姉さんの背景に頼りたくないんだ――」
「嫌いなの、お姉さんが――」
「そうじゃないよ――姉さんは好きだよ――伝説と呼ばれている学院での生徒会長時代の振る舞いも直接、本人から聞いているから――」
「正直言って、女子高って響きに興味はあったよ――オレも男だから、ぶっちゃけ変な妄想もするさ――共学になるって聞いて、女の園の名残を少しでも感じられたらなぁって――まぁこれも女子にしたら、動機が不純かもしれないけど――」
「でも、男子入学生がオレ独りだなんて、想像もしないよ――結果、名残どころか、純粋な女の園を体感させて頂いてますけど――」
思春期独特の想いと、異性の親族との関係性に苦慮している匂いを漂わす、彼の低く落ちた声と目――。
「ミナ、繭、茜は、女の園に潜む毒の存在を教えてくれる天使みたいなものだよ――こう言うと、また妄想めいた事をとサユリは思うかもしれないけど、天使もなかなか強かで、甘くはないけどね――」
「私も――」



