マルメロ


「ルナを鳥籠に閉じ込めたいと思う個人同士の利害が一致して、強固な集合体を形成しているから、事は複雑化し厄介になるだけね――」




「下らない――まるで、おままごと――」


冷えた目と声で、サユリは言い放った――。


「サユリの言う事もわかるけど――このまま、悶々とした気持ちでいたくないんだ――何か、いい知恵はないか――」


縋り気味に求めた――。



「ルナの事、好きなんでしょ――」


「はあぁ――」


思ってもみなかった言葉に、あらぬ方向から心の大切な感情を鷲掴みにされ、これがあなたの「本心」なのよ、さぁ素直に認め、言いなさいと迫るサユリに対し、「肯定」とも「否定」ともとれる間の抜けた声で彼は曖昧な自分の気持ちを表現した――。



「うふふっ――結局、どっちなの――」


滑稽な彼の表現に色めかしい口元を緩め、サユリは笑う――。



「好きとか、まともに会話も交わしていないのに、そんな風に思ってもないよ――」


威勢良く言う彼だが、幾分か照れの性質が含まれ、やや説得力に欠ける――。



「じゃあ、同じクラスのミナ、繭、それとも茜、マリネ――」