マルメロ


前方の入口の引き戸をそおっと開け、隙間から顔を覗かせるミナ――。


「じゃぁーん――」


続けざまにミナの頭に顎を乗せ、繭がおどけて彼を覗き見る――。



「やっぱりか――」


彼は「諦め」、呟いた――。



「あかねっち、おはよう――」


ミナと繭が茜に言いながら、そろりそろりと彼の席に近づき、ミナはいつもの定位置に、繭は反対側にすっと立つ――。





「もう知ってるんだろ――」


彼が先手を打った――。



「テル、やっちまったな――」


ミナが応戦する――。


「テルくん、これはちょっとピンチかも――」


繭が不安げに続いた――。


ミナと繭による、「逃げ場」のない席での追及――。



「よりによって、衝突した相手があの麗しの氷女とは――テルも運がいいのか悪いのか――」


「しかも、テルくんが意識を失って気絶しちゃったから、彼女に妙な箔がついちゃった感があるよね――」


「逆だったらまだ良かったのに――何で倒れちゃったのテル――」


「オレも、わからないんだ――」


率直な想いを述べた――。


「どうしたものか――」