マルメロ


あの「洗礼」から数日が経過していた――。


女の中に男が独り――秋桜組内の小さな現象ではない――。


故に、どんなものなのかと、藤組、椿組の女子達が秋桜組の様子を伺い、唯一の男を確認して、帰ってゆく――。


同学年に留まらず、2年、3年の上級生も、1年生の教室がある4階に駆け上がって、「男」もしくは「弟」の存在を、瞳に焼きつける――。


そんな「イベント」も、日に日に下火になってゆき、とうとう「来場者数」がこの日、ゼロとなる――。


賞味期限が切れた――と、ミナが表現したのは、この事だった――。


「まぁ、こんなもんでしょ――」


彼は、吐き捨てた――。


自分は、いわゆるイケメンで身長も高く、女心を擽る「雰囲気」も持ち合わせていない――寧ろ、「標準」で、繭に身長で抜かれ、華やかさとは無縁な男――。


自虐的ではない、彼自身による自己分析――。



「ふーん」


「普通」


「何か地味」


「微妙かな」


「まぁ、可愛いかも」


「ちょっと期待し過ぎたかなぁ」


「ふぅーっ」



彼に対する「評価」――。


予想通り――。