「ホンマに、ええ話やぁ――」
すかさず繭が同調し、「涙」を拭う――。
温かい笑い声が秋桜組の教室に広がる――「彼」はようやく、クラスの一員として受け入れられ、女達の「洗礼」を受けた――。
チャイムが鳴る――彼の学院生活のページが、新たに綴られてゆく――。
「あれぇ、委員長はあかねっちだけど、副委員長って誰だっけ――」
ミナが、自分の席に戻りながら小首を傾げている――。
「おいおい――昨日、当然の如く茜が委員長に決まった後に、ミナがいきなり副委員長は、この学院唯一の男子がなったら面白いんじゃないかと思いますって、無茶振りしてたよな――」
「その空気に流されて――副委員長は、オレに決まったんですけどね――」
彼は、心でミナに言い返し、その状況を思い出す様に目を閉じて、微かに笑った――。
「うーむ、そろそろ賞味期限切れかぁ――」
腕を組み、いつもの様に彼の机の端に腰掛けてミナが呟く――。
「何が賞味期限切れなんだ――」
「そりゃぁ、テルの男としての鮮度って事だよ――」
不敵に笑うミナ――。



