マルメロ


自分がいなくなれば、否定派のまとわりからも解放され、彼も「楽」になる筈――。


姉がいる姉妹校に転入するのは少し心の隅に小骨が刺さる様な感覚がして「癪」な想いが残るが、否定派には有効な手札――。


ルナと共に、ごっそりと否定派が転入する訳にもいかない――。


それは、姉妹校側も、学院も困るのだ――。


自分一人の「動き」で事は解決する――マリネも理解してくれる――。


別に銀河の果てに行くのではない――。


逢いたい時には、いつだって逢える――。


それは、彼とも同じ事――。


唯一、ルナに「欲」があったとすれば、自身の行動での臨時生徒総会中止の目論見だろう――。


総会の「本質」が彼の追放劇であり、姉妹校への「島流し」の賛否を問うものであれば、ルナが姉妹校に転入する事によって「本質」が無意味となる――。


ルナと彼が姉妹校で仲睦まじく――。


否定派にとって最悪の風景――。




「わかりました――この書類はお預かりします――」


ただ、手札として見せた筈の書類を、琴音の怒りの後、あっさりとミレイは受け取り、少女と悪魔が介在する上目遣いで更にルナへこう言った――。