マルメロ


「という事で、どちらかを選び、呼ぶ――おわかりかな、テルくん――」


繭が、もじもじする茜の言葉に足りない部分を補足し、言った――。




「良かったなテル――放置プレイも今日で終了だっ――」


ミナがサムアップの仕草で彼に微笑んだ――。


「放置プレイかよっ――」


クラス内の生温い空気を慎重に掻き分ける様に、彼はミナに突っ込みを入れる――。



「くすくすっ――――」


何処からともなく笑い声が広がってゆく――茜も、委員長としての「最初」の仕事を乗り切った安堵の表情と笑顔が混じり合い、嬉しい声を放出している――。




「あぁそれと、私達の呼び方だけど基本、名前呼びでいいから――」


「そうか――わかった、繭――」


後頭部に手をやり、少し照れた声と表情で彼はクラスメイトを呼んだ――。



「ミナも、茜――そして皆、ありがとう――これからよろしく――」


恥ずかしさを払拭する為、続けざまに彼はミナ、茜、クラスメイトに「本心」を述べた――。


その時、好意な視線と念を彼は確かに感じた――。



「ええ話や――」


おどけるミナ――。