～エルゼンの街 スモニア通り～
農業が盛んなこの街では珍しく建物が建ち並ぶこの通りにケルベロスはいるとの事。

「オークさん、ケルベロスって一体何なんです？今回みたいに、奇妙な事件専門の部隊とかですか？」
「まぁ、大体は合ってるな。ケルベロスは女王直属の戦闘部隊だ。表ではほとんど知られていない裏の仕事を専門としている」
「はぁ、そんな部隊が…
あ、そう言えば 流れに飲み込まれて忘れかけてたんですけど、ローザ様の手紙に異能者とか恐ろしいもの、とか そんな非科学的な事あるんでか？」
「あぁ、これも表向きには知らされていないが、今まで起きた怪事件のほとんどの原因が異能者,又はざらに言う悪魔とか吸血鬼やら死神やら そう言う奴等だ。」
「……ﾝ…」
「信じてねーな」
「そんな話 信じれる訳無いでしょう。」
「まっ、俺も昔はこんなオカルトな話信じてなかったけどよー、実際に目の当たりにしたら信じざるを得なくなるぜ?」
「 ？実際に、ですか?」
「あぁ!! ケルベロスのメンバーは全員異能者。つまり、“Exorcist”（エクソシスト）だ。」
Exorcist…それは、遺伝子の突然変異により誕生したと考えられている。数百年前にはこの地にいたそうだが、いつ誕生したかは誰も知らない。そのExorcistがつい最近 公式に存在を認められ異能者と呼ばれている。しかし、異能者に会った事の無い者の多くは馬鹿馬鹿しいと信じてはいない。
「全員がExorcist!? …そんな馬鹿な!! Exorcistは一つの国で一人いるかどうか、極まれに産まれてくる。それなのに、一つの国に何人も!?」
「…アー 何でだろな…」
「なっ、適当に返事したでしょう!!」
「まっイーじゃねーか」
（うっ、この人言ってる事メチャクチャだけど何か憎めないのよね～。中年親父だからかなぁ？）