エルゼンの街。この国の北部に位置しているエルゼンの街は、酷く荒れ果てたこの国では極めて豊かな街と言えよう。緑も潤い、小鳥のさえずりも聞こえるこの街は多くの貴族達が気に入り、暮らしている。
そんな穏やかな街で第一の殺人は突如起こった。

~エルゼンの街 ヴェジスト通り~
「オークさん!!」
「おぉ、やっと来たか」
「怪事件が起きたって…」
「見ての通りだ 可哀想になぁ こんなに されちまって」「うん? リリア…大丈夫か?」
「……えッ はっはい… オ、オーク、さん…こ、これ 本当に人が出来る事何ですか?」
驚く事も無理は無い。今回の死体、腕と足と首はあり得ない程にネジ曲がり、腹が裂かれほとんどの臓器が外に散らばり、眼球は飛び出しそうなほどであった。
「…イヤ、これは間違いなく普通の人間には出来ないさ」
「!?人間じゃなきゃ何がこんな事を」
「今朝、女王から手紙が届いた。手紙にはこう書いてあった:久しぶりですね。オーク フィリス。昨夜起きた怪事件 聞きました。間違いなく、人間の仕業ではありません。恐らくは、異能者か我々が会った事の無い何か恐ろしいもの。何方にせよ、貴方方は手を引きなさい と部下に伝えなさい。
久々にケルベロスを出動させます。オーク フィリス、貴方も部下を一人連れケルベロスと合流しなさい。ローザ: だ〰とよ」
「えッ, ちょっ! まさか、その部下一人って私の事ですか?」
「まぁ、お前しか居ねーだろッ?」
そして、オーク フィリスは引きそうになるくらいの満面の笑みでリリアの肩を叩く。二人の警官はこの怪事件を解決すべくケルベロスと合流しに動く。