「舞香、俺飲み物かってくるよ。」

「ありがとう。」

「なにがいい?」

「なんでもいい。」

「その答えは困る。」

「えー・・・じゃあ紅茶。」

「ホット?」

「今の季節は冬です。」

「あ、はい(笑)」

あの時僕がきみに『飲み物かってくるよ。』じゃなくて『飲み物買いに行かない?』って言っていたらどうなっていただろう?

僕が飲み物を買って帰ってくるときみは座っていたベンチにいなかった。

いなくなったわけじゃない。ちゃんといた。



目の前の道路に。きみが横たわっていたんだ。

血を流していたきみが。目の前にいた。