‥…何分たっただろうか
時計を見ると
2時を過ぎていた
玲奈と話したのは11時30分ごろ
こんなにもボーッとしていたのか
「はぁ‥…」
お風呂はいろうかな
お風呂セットを持って
お風呂場に向かおうと
部屋を出た
ガチャ
階段を降りようとすると
ガチャ
振り返ったら蓮夜がいた
「っあ‥…」
蓮夜は、顔を背けた
「蓮夜‥…あのっ」
「ごめんっ」
蓮夜の声で掻き消された
「え‥…、」
「俺、最低な男だと思って」
「待ってっ蓮夜っ」
顔を背けたまま私の横を通り過ぎた
「蓮夜っっっ」
蓮夜の袖口をなんとか掴んで
引き止めた
「ダメ‥…ダメ‥…自分を責めないで‥…
私の強がりが悪いの‥…」
「違う‥…俺な、杏璃の強がりを‥…
使ったんだ‥…最低な男なんだ‥…」
蓮 夜 は 、 私 を 抱 き し め た
私 よ り も 大 き な 身 体 で
耳 元 で
「 愛 し て る 、 お 前 だ け は 」
何かを察知した
別れが来ると
早い別れを
一目惚れから始まった恋なのに
こんなにも愛すなんて
よく考えれば笑い合えたのは
一日だけ
こんなにも早いのか
「本当は愛しちゃいけないんだ
お前の事」
蓮夜は、耳元で続けている
こんなにも早い終わり方
しょぼいな、地味すぎる
あんなに楽しい始まりだったのに
でも、こんなこと考えちゃいけない
なのに


