それから、梅雨があけた。

いつものわたしなら飛び跳ねて喜んだだろう。
だけど、そんな気にはなれなかった。

なんだろう。この寂しさは...。

知らず知らずのうちに、わたしは雫の事が好きになっていた。


だから、今度こそ雫の事を聞いてみよう、と思った。


2日後に雨が降った。

よっしゃ、チャンス!
いつもの窓辺で待っていると、雫がやって来た。

いつもどこから来てるんだろう...


「雫っ!元気だった?」

「元気もなにも、この前会ったばかりだろー」

「そ、そうだっけ?忘れたー!」

いつもの会話をしたところで、わたしは本題を切り出してみた。

「ねぇ。雫はさ、どこにすんでるの?」

「俺は...。雨の中?」

「プッ」

「あ!今頭おかしいって思ったろ」

「だって、言ってること意味不明ー」