「はぁ...。何だったんだろ。」

家に戻ったわたしは大きなため息をついた。



つぎの日も雨だった。しかも、昨日とは比べ物にならないくらいの大雨!

うぅ...。太陽が恋しい....。

ふと、窓みを見た。

「むむっ!」

昨日いた彼が、またいた。

傘も持たずに。

「今日は渡してやる!」

わたしは雨の中へと走った。


「ねぇ、君!傘かしたげるから、さしなよ。」

と、わたしが言うと彼はあからさまに迷惑そうな顔をした。

やっぱり、女物の傘は嫌...だったのかな?
でも、そんなこと言ってられない!


「おっ、女物の傘だけどおっきい方だよ?」

すると彼は一瞬不思議そうな顔をして、可笑しそうに微笑んだ。

「君、面白いね。」

「えっ...?」

不意に笑顔を向けられたわたしはドキっとした。

じゃなくて!

「とっ、とにかく傘使ってよ!?」

そう言うとわたしは家にめがけて走った。背中合わせに視線を感じて....。