「どっ、どしたのそれっ!?」


「へっ、へへ~。ちょっとね」


後ろの方の席から小夜が駆けつけてくる。結子ちゃんが驚いて指した先がわたしの左の首筋だったものだから焦ってくれたんだ。


わたしの左の首筋には――百瀬の痕跡が。


「ちょっとみのりっ!!」


「小夜。――今日の朝、コテで髪巻こうとしたら火傷しちゃった。慰めて」


小夜の手をぎゅっと握って気持ちを伝える。


「っ、……あっ、そっか。痛かった、ね」


「う~。それは辛い。あたしは前おでこやっちゃったよ。ガーゼで大丈夫?保健室行ってくれば?」


「大丈夫。軟膏は塗ってきたから。ありがとね。結子ちゃん」


結子ちゃんが心配してくれたわたしの左の首筋には、大きなガーゼを紙テープで張り付けてあった。


小夜にそっと囁く。


「小夜。ありがと」


「ちょっと焦ったわ。まさか晒してるかもとか。――そうね。暫くそれがいいわね」