冷たい姫の憂鬱



近づいてみると、

すうすうすう、と寝息が聞こえてくる。

ほんっとーに、ムカつくよ!

ビビったじゃないか。

私ももう、行こう。

そう思い、歩き出したとき……

「まっ、て…」

がしっ!

腕を捕まえられた。

「僕のそばに、いて。お願い…」

男がしゃべった。

さっきはよく聞かなかった声が今はよく聞こえた。

まずい。

動揺するな。

ドクドクドク、と心臓の音が聞こえる。

まじ、ないわ。