その日、私は重大なミスを犯してしまいました。





「ふ…筆箱忘れた……!!」



そんな。今日はテストがあるのに。肝心なところで、いつも爪が甘い。


友達に借りようにも、テスト勉強に集中していて、とても話しかけられる雰囲気ではありません。



「どうしよう……」



冷や汗が流れました。ああ、もう。もっと早く気がつけばよかった…。



すると、私の机の上に、シャーペンと消しゴムが置かれました。


驚いて顔を上げると。


「コレ、使って」




あの広野くんが立っていたのです。


私はあまりにもビックリして、真っ直ぐ広野くんを見たまま、固まってしまいました。