ヒトメボレ。





「コレ、使って」




ハッとしたように顔を上げて、真っ直ぐオレを見て固まる真比呂さん。



あら……コレは……もしかしてオレ、やらかしたかな………



少し気まずくなって、オレは俯いた。


すると。



「ありがとう………」




消え入りそうな細い声が、オレの耳に伝わった。



顔を上げると、真比呂さんは顔を真っ赤にして、少し俯いていた。




お……これは……大丈夫だった……のかな?